□■ 心房細動に“切らない”手術 ■□
心房細動の外科治療に、新たな風が吹いています。これまで行われてきた開胸
手術や、小開胸と胸腔鏡を組み合わせたWOLF法と呼ばれる手術に加え、2007年に
登場したのが、完全胸腔鏡下の新たな低侵襲手術「WOLF-OTSUKA法」。
同法を開発した都立多摩総合医療センター心臓血管外科部長の大塚俊哉氏は、
これまでに135例余りの孤発性心房細動患者に対して、同法による肺静脈隔離
(外科的アブレーション)や血栓が生じやすい左心耳の切除を施行。「従来の外
科治療よりもはるかに低侵襲化したことで、薬物治療やカテーテルアブレーショ
ンなどと天秤にかけて検討する患者も多い」と同氏は語ります。
WOLF-OTSUKA法の心房細動治療における位置付けや適応、さらには左心耳切除
による心原性脳梗塞の予防の可能性など、心房細動における外科治療の最新事情
を追いました。